新型コロナウイルスのまん延は,日常生活を制約するとともに世界の経済に大きな打撃を与えました。不要不急の外出やイベントの自粛,3密を避けるなどの感染防止のための取り組みは,社会生活のあり方を大きく変えました。中でも,在宅勤務やテレワーク,オンライン授業など,ICT活用による労働や教育の非対面化は,一気に進みました。
これまで仕事の進め方は,対面式を原則としてきました。上司や先輩が,仕事の基本を丁寧に教え,仕事の進め方に関してもきめ細かく指示を与えていました。顔を合わせて仕事を進める場合は,上司が部下の状況をきちんと把握できるので,状況の変化に応じて適切な指示を与えることが可能でした。今後,テレワークが進むと,上司によるきめ細かな指示は難しくなってきます。働く本人が,基本方針に基づいて臨機応変に「自ら考え行動する」場面が増えてきます。
このような働き方の変化に応えるため,大阪産業大学大学院工学研究科は,自ら考えて行動できる自立した高度専門技術者の育成を強化します。大学院では,「なぜ」そうなるのか,「どのように」すればいいのかを考える教育を実施します。大学院での調査研究を通して,課題の設定や計画作成,仮説検証,報告・連絡・相談,中間発表・学会発表,論文作成,質疑応答など「問題解決のプロセス」や「仕事の進め方」を実践的に修得することができます。
私は,皆様が大学院で自らがもつ能力を伸ばして,将来,社会で活躍されることを心から望みます。工学研究科教員一同,皆様が自立した高度専門技術者に成長する手助けになりたいと願っています。
工学研究科長 栗田 裕
工学研究科には、博士前期・後期課程とあわせ、計8つの専攻があります。
博士前期課程では、機械工学専攻、交通機械工学専攻、都市創造工学専攻、電子情報通信工学専攻、情報システム工学専攻、環境デザイン専攻、の6つの専攻を設置。
博士後期課程では、生産システム工学専攻、環境開発工学専攻の2つの専攻を設置しています。
国家、企業、研究機関など、あらゆる場面において、テクノロジー分野の進歩は、不可欠な要素。高度な技術力を実際の社会に還元できる、真のエンジニア・研究者の育成をめざしています。