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保護者の皆様へ

【令和元年度卒業の皆様へ】学長からのメッセージ

2020年3月19日 保護者の皆様へ

学位を授与された人々に送る言葉
「転機(トランジション)を活かすためには」

大阪産業大学 学長 中村康範

大阪産業大学および大学院で学位授与される皆さんにお祝い申し上げます。
本来でしたら、総合体育館にて学位授与者、ご家族、ご友人の皆さん、本学の関係者が集い、門出を祝うべく準備を進めてきましたが、COVID-19の影響を考慮し式典開催に向けて検討を重ねた結果、皆さんの新しい生活に影響を与えないために式典を中止とし、このような形を取ることにご理解をいただきたいと思います。

皆さんが在学期間中に培った「軌跡」となる学位記は、皆さんの手元に郵送にてお届け致します。
何卒ご理解の程お願い申し上げます。

さて、本学からの学位授与は、それぞれの課程を修了した「訪れることがわかっていたイベント」の証です。この門出は、皆さんにとっては一つの「転機」とも言えます。しかしこれからの人生には、予測できる転機、予測しない転機、予測したのに起こらなかった転機が訪れます。この転機に、どう対応するかが大切だと考えます。この転機(トランジション)という考え方は、ナンシー・シュロスバーグ博士がその研究の中で「人生をさまざまな転機(トランジション)の連続として捉え、さまざまな転機を乗り越える努力と工夫を通してこれからのキャリアが形成される」と述べています。
彼女は、転機に注目しそのプロセスの理解と、自分にとってマイナスだと思ってしまいがちな「転機の克服」を可能とする3つのステップと転機に対応するための4つのリソースの点検を挙げています。

3つのステップ

Step1
転機を見定める
Step2
転機を乗り越えるためのリソースを点検する
Step3
転機を受け止め、対処する

4つのリソース(転機に対処するためのツール)

状況(Situation)
原因は何か?予測可能なことであったか?前向きに捉えているか?
自己(Self)
心理的資源の自分自身の性格など、内面的な特性(強み・弱み)を把握できているか?
支援(Support)
家族、友人・知人や専門機関などで支援してくれる外的リソースにはどんなものがあるかを把握できるか?
戦略(Strategies)
状況、自己、支援を把握したうえで、どう変化に取り組むかの方針を計画できるか?

この3つのステップを理解し、4つのリソースを意識し取り入れることで、転機をチャンスと考える事が可能となります。最近では、人生100年と言われ、多種多様な関連書籍が販売されています。自分には関係ないと考えず新しい学びと捉え、自身の拠り所となる理論を探すことも大切だと考えます。

皆さんの母校となる大阪産業大学では、恩師、学友はもちろんのこと本日から会員となる大阪産業大学校友会の多くの先輩方がサポートしてくれます。在学期間中に培った人とのつながり、これからの人とのつながりを大切にしてください。皆さんのご健康とご活躍を心から祈念してお祝いの挨拶と致します。