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経営学部 商学科

陸上元日本代表の朝原宣治さん:トークセッション

2021年4月6日 経営学部 商学科

講演の後半は永田先生とのトーク・ディスカッションが開催されました。
永田先生からの質問に朝原氏が回答する形式で進行しました。

永田先生:トップアスリートとして努力したこと、取り組んだことは何でしょうか。
朝原氏:正直なところ、大学1回生の時はまだそこまで真剣に陸上競技に向き合わなかったと思います。しかし、陸上競技を頑張ると決めてからは自分が自分を騙さないように意識して行動しました。どうしても人間は楽な方に自然と流されやすいと思います。陸上競技の練習は単調で孤独です。私は自分が練習に飽きないように意識して工夫をしました。たとえば自分が変化を自覚できるようなデータを集めることや練習方法に工夫をすることなどです。大学の勉強もこのように自分で少し工夫すると楽しくなるし環境を変えると新しい発見があります。

永田先生:競技前の控室などで取り組んでいることはどんなことですか。会場の学生からはルーティンについて質問がありました。
朝原氏:控室ではゼッケンを確認したり携帯電話をスタッフに預けたりして準備を進めます。一番重要なことは精神を集中させることで、どうしたらスタートラインに無心な状態で立てるかいつも考えていました。

永田先生:これまでの失敗について教えてください。
朝原氏:大学2年生のバルセロナオリンピックの直前にケガをしてしまいオリンピックに出場できませんでした。大学の同期の選手がバルセロナオリンピックでメダル獲得などの大活躍をしました。自分は悔しくて100%陸上に対して真剣に取り組まなかったことを後悔しました。その経験から自分がはじめて練習日誌を書く、食事や生活習慣に気をつけるようになりました。自分が真剣にならないと周りも動いて支援してくれません。

永田先生:新入学の皆様も食事は生活の基本なので気を付けてほしいと思います。子供さんが3人いらっしゃいますが平素はどのように接していらっしゃいますか。
朝原氏:私たちは夫婦でメダリストなので子供たちはどうしても周囲から注目されると思います。基本は子供たちが自分で選んだ道で頑張ってほしいと思います。父親だからとかメダリストだからではなく子供たちとは自然体で関わっていきたいと思います。子供達には外でしっかりと頑張って家に帰ってからリラックスできる居場所を作りたいと考えています。脳科学者の茂木先生との対談の中で子供たちは信頼されて愛情を受けていることが分かる居心地の良い環境が必要だと言われていました。家庭でなくてもクラブやサークルなどどこでも良いので自分の居場所を見つけることが必要だと思います。

永田先生:これからのビジョンについて教えてください。
朝原氏:メダルを取った後は会社員の道を選択しました。私は皆が幸せになって想いが共有できる仲間と一緒に活動したいと思います。自分一人ではできないのでいろいろな人たちと連携して仕事を進めていきたいと考えています。

永田先生:最後に学生へのメッセージをお願いします。
朝原氏:本日入学された学生の皆様は大学の中に自分の友人や仲間をつくることから始めてください。自分が居心地の良い居場所を早く作ってください。